着実な歩み

 卒業生の母親とお会いする機会がありました。1年近く経っていますが卒業式の日のことを昨日のことのように思い出していました。約束の場所でその時を待っていると,母親の優しい瞳が見えました。そして,男の子の姿も。「一緒に行く。」と言ってついてきたという我が子を見ながら,母親は言いました。彼とは卒業以来一度も会えなかったので,その言葉は私にとって大変うれしく,思いがけない再会でした。
 以前から,協和中学校で頑張っているということを様々な所で耳にしていました。ですから,こうやって会えて,元気そうな顔を見ることができただけでもうれしかったのですが,中学校での様子などをいろいろ聞くことができればと思い,心躍るような気持ちで彼の目を見ました。
 物静かな6年生の頃とは異なり,彼は次々に小学校生活の思い出を話したり,今の小学校の様子を質問したりしました。私は彼の言葉の中に一日一日の着実な歩みと,1年間の中学校生活の喜びや悩みを理解することができ,自ら判断し行動しようとする姿を垣間見ることができました。私は彼の努力し成長した姿をうれしく頼もしく思い,彼の言葉にうなずき,それに応えるだけで1年ぶりの時間は過ぎていきました。
 小学校では,昨日,3学期の一つの行事が終わりました。6年生にとっては,「卒業」の二文字が少しだけ大きく見えてきたように思います。「ゴール」であり,新たな「スタートライン」でもある「卒業」の日に向かって,一日一日を着実に歩んでほしいと思っています。

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