リアル道徳 -理科の時間のできごと-

「プロペラが折れてモーターが返ってきたんですけど、誰が知りませんか?」

モーターを使った実験で、乾電池の向きをかえるとプロペラの回る向きはどうなるのか、どうしてそうなるのかということを調べていました。実験の片付けをしていると、プロペラが折れているモーターが返ってきていました。子どもたちに聞いても、返事がありません。

担任が、「昨日、道徳で同じような内容の授業をしたよね。」と語りかけました。

子どもたちは、前日に「休み時間のできごと」という道徳の授業をしていました。

道徳の授業では、追いかけっこをして廊下を走っていた子が先生にぶつかり、一緒に追いかけっこをしていた友だちのことを「彼は追いかけっこはしていない。自分一人が走った。」と先生に伝え、一緒に走っていた友だちも「自分は走っていない。」と嘘を言ってしまう話を題材に学習をしました。でも、その後二人とも先生に嘘を言ったことが心にひっかかり、本当のことを正直に言おうかどうしようか迷います。悩んだ末に正直に自分も走ったことを言います。二人とも、勇気を出して本当のことを正直に言ったことで気持ちがすっきりします。

「みんな、正直に言うことが大切だと言っていたよね。なのに、今日のことは、先生は悲しいです。」と担任が、子どもたちに投げかけました。

すると、昼休み「実験中に筆箱にプロペラが当たって、その時は折れていなかったのですが、ひょっとすると折れた原因は自分かもしれません。」と名乗り出てくれました。さらに、一緒に実験をしていた班の子どもたちも正直に話してくれました。

子どもたちの心は、純粋です。正しいと思っていてもなかなか実行できなかったり、言えなかったりすることがあります。そんな時、誰かの一声で勇気が出たり、一歩踏み出すことができたりします。今日の担任の一声も子どもたちの真の勇気を引き出すことにつながったのだと思います。正直に言うことで心がすっきりとしたという実感が、これから先も正直に言おうという態度につながっていきます。「リアル道徳」みんながすっきりとした気持ちになりました。ありがとう。

 

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